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パントマイマー林佳のオフィシャルブログ

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パントマイマー林佳

パントマイム雑学⑧

「壁」の在る無い。

「無い」ものをどうやって表現するのか?
これはパントマイムならではの考え方なのかもしれない。

「無い」ものを表現するときには勿論「在る」ものを表現しなければいけない。
「在る」ものを表せてこそ「無い」ものも表せるのです。

例えば、パントマイムでよくでてくる「壁」を例に取る。
目の前に壁が在る。
まずは、具体的に人にわかるように手で触れてみる。
触れてみることでほとんどの人はそこに「壁」の存在を認識することが出来るはず。
そして壁の大きさを表すのに両手を使い左右上下に触れてみる。
「壁」を表現するときの原則の1つに片方の手を動かす際はもう片方の手は壁に触れ続けていないといない。
手を離してしまうと一度目の前に創った「壁」の存在が希薄になり、お客さんに見えなくなってしまうのだ。
「壁」を表現するとき、原則的に両手を離して壁を触り直すということはまずしない。
両手を離してしまうと、せっかく目の前につくった「壁」の存在が無くなってしまう。
マイム用語でこれを「空間固定点」という。
「壁」を表現は、手の平の緊張(触れているとき)と弛緩(手を離したとき)ともう1つ空間固定点という触り続けている身体の感覚という組み合わせで成り立っているといえる。
そこに「在る」ものを表すには触れた瞬間、離した瞬間の「在る」と「無い」が連続することが重要になる。
by hayashikei | 2011-04-18 20:42 | マイムの話

by keihayashi